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デンクン:イーサリアム最大級のアップグレードと歴史について知ろう

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Takumi

2024-3-25 8:29

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目次

この記事では、イーサリアムの最新のアップグレード:デンクンとその更新内容について掘り下げます。Dencunの話題が増える中で、今回はイーサリアムのアップグレードの歴史についても解説し、イーサリアムの進化を形作った重要なマイルストーンを紹介します

Dencun(デンクン)アップグレードとは

今回のデンクンアップグレードはイーサリアムの歴史上でも非常に大きなアップグレードとなっており、実に以前のPoSへの移行(マージ)から18か月も経っており、 Deneb と Cancun、二つのアップグレードを組み合わせています。

Dencunアップグレードは、13:55 UTCに始まり、14:10 UTCに完了しました。Dencun アップグレードの要素は数年前から計画されていましたが、当初の2023年後半の目標から遅れが生じました。

世界で2番目に大きなブロックチェーンである Ethereum は、デンクンを実施するにあたり、Arbitrum や Polygon などのレイヤー2ネットワーク全体の成長を促進し、ガス代を軽減することで分散型イノベーションを推進しようとしています。

アップグレード内容

今回のアップグレードは、主に「proto-danksharding」と呼ばれるトランザクションデータを保管する方法が追加されたことで、Ethereumのレイヤー2ブロックチェーンに大きな変化をもたらしました。

特に、Arbitrum、Optimism、Polygonなどのネットワークにとって非常に効果的であると言えるでしょう。レイヤー2ネットワークは、レイヤー1のトランザクションをグループ化してガス代を削減することでEthereumを効率よく使うソリューション的な役割を果たしています

そしてDencunでは、レイヤー2ネットワークは専用のスペース内でデータをEthereumに保存できるようになり、データ圧縮のコストを限りなく削減します。

この進歩により、ユーザーのコストが大幅に下げる可能性があるのと同時に、Ethereumがブロックチェーンをより小さなチェーンに分割する技術(proto-danksharding)を用い、レイヤー2ネットワーク上のガス代をさらに下げ、全体的なスケーラビリティとユーザーエクスペリエンスを向上させる働きがあります。

進化し続けるEthereum:アップグレードの歴史

2024年3月、現在のところデンクンアップグレードが最新ですが、イーサリアムは創設以来、改善と進化の繰り返しを続けてきました。重要なアップグレードの中には、ネットワーク機能、セキュリティ、およびスケーラビリティを向上させることを目標としたアップデートが数多く行われていました。

こちらの段落ではイーサリアムを根本的に変革した5つの最も重要な歴史に焦点を当てていきます。

ホームステッド(2016年3月)

イーサリアムの初回リリースの後、この最初の大規模なアップグレードは、Ethereum Virtual Machine(EVM)やガス価格モデルなどの重要な機能を導入し、スマートコントラクトの実行と分散型アプリケーション(dApps)の基盤を築きました。

ビザンチウム(2017年10月)

ビザンチウムはzk-SNARKs(Zero-Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledge)を追加し、イーサリアムネットワーク上でのプライバシーとスケーラビリティの向上を図りました。

コンスタンティノープル(2019年2月)

前回のアップグレードを踏まえ、コンスタンティノープルはEVMの改善を反映し、効率性とセキュリティを向上させるためのさまざまなプロトコル変更を導入しました。

ロンドン(2021年8月)

ロンドンアップグレードは、Ethereum Improvement Proposal(EIP)1559を実装し、取引手数料メカニズムを改革し、予測のしやすさと効率性を向上させました。

マージ(2022年9月)

デンクンの前の最も重要なアップグレードであるマージは、イーサリアムをプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)のコンセンサスメカニズムに移行し、ネットワークのエネルギー消費を劇的に削減し、ブロックチェーン業界のスケーラビリティソリューションへの可能性を開きました。

POW

Proof of Work(PoW)は、マイナーが複雑な数学的パズルを解いてトランザクションを検証する競争的なレースのようなものです。最初にパズルを解いたマイナーが新しいブロックをチェーンに追加することで報酬が発生します。例えばビットコインはPoWで動作し、ネットワークのセキュリティを維持するために膨大な量のエネルギーと資金が必要です。

POS

一方、Proof of Stake(PoS)は、保有しているコインの数と担保として「ステーク」する意思に基づいて、バリデーターが新しいブロックを作成する役割を抽選で決定するようなものです。バリデーターはネットワーク内の自分のステークに基づいてトランザクションを検証し、新しいブロックを作成するように選択されます。

イーサリアムはPoWからPoSに移行し、エネルギー消費を削減し、より環境に優しくなりました。

これらの主要なアップグレードは、イーサリアムの進化を観察するうえで非常に重要であり、革新的な機能を導入し、スケーラビリティ、セキュリティ、および持続可能性などの古いレイヤー1ブロックチェーンが直面する問題に対処してきました。

しかし、イーサリアムの開発チームは主要なアップグレードの間で休むことはなく、毎年または2年ごとに小規模な更新、およびEthereum Improvement Proposals(EIP)を継続的に行ってきました。

小規模なアップグレードは、今あげた5つのアップグレードのように注目を浴びることはありませんが、ブロックチェーンネットワークをスムーズにし、効率のよい動作を維持するためにパフォーマンスを最適化、バグの修正、継続的な改善を提供するという役割を果たしています。

主要なアップグレードは間違いなくWeb3.0世界に影響を与えてきましたが、小規模な更新を通じた改善のこそが、イーサリアムを創設以来から現在まで業界トップのチェーンである証拠と言えるでしょう。

まだまだイーサリアムにはガス代の高さやトランザクションスピードなど、問題点は様々ですが、大きなアップグレードが入り、ソラナ並みのスケーラビリティを実現する日も近いかもしれません。

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